柴崎酒造 船尾瀧

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製造工程

船尾瀧ができるまで

蔵人たちの確かな技術、妥協なき精神によって造られる船尾瀧。
そのこだわりが詰まった酒造りの工程をご紹介いたします。

STEP1 精米

酒造りは、蔵人が「米を磨く」と呼ぶ精米から始まります。美山錦や五百万石などの厳選した酒造好適米から、タンパク質や脂質を多く含む外側の部分を削り取る作業です。米は磨くほど割れやすくなるため、徐々に精米機の回転速度を落としていきます。たとえば大吟醸のように6割5分まで削る場合は、70時間ほどかかります。

STEP2 洗米・
浸漬

精米された米は、糠などをきれいに洗い落として水分を吸わせます。精米後は割れやすく、急速に水を吸うため、扱いには細心の注意を払います。吸水速度はその日の気温や湿度、水温などの条件によって異なるため、ストップウォッチを使って秒単位で管理。吸水が完了したら、水切りを行います。

STEP3 蒸し

水を含んだ米は、甑(こしき)と大きな和釜を使って40~60分程かけて蒸し上げます。蒸し米の理想の状態は、外側が硬くて内側が柔らかい「外硬内軟」。蒸し具合は、この後の工程や酒質にも大きく影響するため、途中で状態を確認しながら慎重に作業を進めます。蒸し上がった米は、布に広げて約30℃に冷まします。

STEP4 製麹(せいきく)

蒸し米を35℃前後の高温に保たれた麹室(こうじむろ)に運びます。その後、種麹の胞子を振りかけ、温度や水分を調整しながら麹を造る製麹という作業を行います。麹ができあがるまでに要する時間は約48時間。その間、温度が上がり過ぎないように手でほぐしたり、乾燥を防ぐために布をかけたり、昼夜を通して作業が続きます。

STEP5 酒母造り

麹と蒸し米と水を合わせ、発酵を担う酒母を増やしていきます。酒母は「酛(もと)」と呼ばれるように、酒母造りはまさに日本酒造りの骨格をなす大切な工程。厳密な温度管理はもちろん、こまめな状態のチェックが欠かせません。櫂を使って撹拌するなど、酵母の増殖を促すため常に気を配ります。

STEP6 仕込み

酒母に麹・蒸し米・水を加え、醪(もろみ)造ります。3回に分けて仕込みを行う「三段仕込み」という江戸時代から続く伝統的な方法を用い、醪のなかの酵母や乳酸菌を確実に、ゆっくり増殖させます。徹底した温度管理のもと、約1ヵ月で発酵が完了します。

STEP7 上槽

発酵を終えた醪は漕場(ふなば)という部屋に移動させます。ここで圧搾機を使い、空気圧によって原酒と酒粕に搾り分ける上槽を行います。かける圧力によって、醪に含まれるさまざまな成分が原酒に移る割合が決まるため、この作業でフレッシュ感や味わいの力強さに違いが生まれます。

STEP8 濾過・
火入れ

上槽した酒に浮遊している細かな固形物などを取り除くため、濾過を行います。その後、火入れと呼ばれる約65~67℃の加熱殺菌を行い、タンクに貯蔵してひと夏じっくりと熟成させます。また一方で、フレッシュな香味を残すために、火入れをしない生酒や生貯蔵酒にする方法もあります。

STEP9 調合・瓶詰め

出荷前の最終調整段階です。同じ原料、同じ工程であっても、貯蔵タンクごとによって酒の味わいは微妙に異なるため、熟練の職人がテイスティングし、酒質の調整を行います。瓶詰めの直前に2度目の火入れを行い、瓶に詰めてラベルを貼付。こうして船尾瀧は皆さまのお手元に届けられます。